第2話 音律



(1) 純正律
(2) 平均律


音律とは、音階 scale 英 )を構成する音の高さの相互関係をいいます。



(1)純正律 just intonation 英 )

音律は、古代ギリシャの時代からピタゴラス(BC.6C 頃)によって考案された
ピタゴラス音律( Pythagorean scale 英 ) がありましたが、その後、響きの美しさを求め、
純正律が考案され利用されていました。
純正律は極めて美しい響きを得られますが、ピアノのように pitch が固定された楽器が、
ある調の音階の為に調律された場合は、他の調に移調も転調も出来なくなってしまうのが欠点です。
音高の自由な人声や楽器では、今日でも響きの美しい純正律を目安に演奏を行っています。



(2)平均律 temperament 英 )

純正律が考案された一方では、
和音では響きの悪かったピタゴラス音階を改良した音律が16C ~18C にかけて使われていました。(中全音律)
中全音律の長3度は純正律にかなり近い為響きが良く、当時としては画期的なものでしたが、
遠隔転調や半音階の使用には都合の悪いものでした。
この欠点を改革したのが十二平均律です。
これは、オクターブを12等分平均的に等分したもので、どの調を演奏しても均一な響きを得られるのが利点です。
この理論は16~17C から進められて来ましたが、 J.S.Bach (独1685~1750)がこれを定着させる目的で
<平均律クラヴィーア曲集>を作曲した事により、
平均律は全ての調の演奏を可能にする事が立証され、広く世に押し出されました。

しかし、各半音は感覚的に12等分したものなので、
実際のの比率(振動数比)は 12√2 (1.05946・・・・)と、無理数であり、
オクターブの場合を除いて、何乗しても決して一致せず、完全に協和した響きは得られません。

異名同音(2章で説明)
その例として、左図で示す3音は
平均律では全て違う音程になりますが、
平均律では同等に扱います。


といっても、不協和の度合がどの音程においてもほぼ平均的に微小であり、
利点の方が圧倒的に多いのでこの平均律が世界に普及したのです。


平均律と純正律で別々にチューニングしたmidファイルを置いておきます。
最初に平均律が流れ、2回目に純正律に変わります。
単純な I-IV-I-IV-V-Iの和音です。
この二つにどういう違いがあるか、耳で確かめてみてください。
注意!(下のBGMをOFFにしてから聴いてください。)


XG用

GS用




第3話 音楽の要素へ
タイトルへ戻る