第3話 音楽の3要素



(1) rhythm
(2) melody
(3) harmony


特殊な音楽以外は普通、 rhythm (英) melody (英) harmony (英)の3つの要素より成立っています。



(1)rhythm

音や休止の長短、音の強弱が組み合わさり出来るものを指します。
rhythmは、規則的な物の動き、光の点滅からも感じることが出来ます。
rhythmは、3要素の中で最も音楽の根本を成しているもので、
時代や民族の違い等によって其々独自の様式があり、音楽を特徴付けています。
このように音楽には様々なrhythmが使用されていますが、
それらはただ無秩序に並べられているのではなく、
一定時間毎に刻まれる beat [拍] に乗って作られています。
なお、 tempo [速度] は、beat間隔の長さによって決められますが、
楽曲の殆どは1分間に40~300打つ速さ範囲内で作られています。

リズムとテンポ

rhythmの奏法としては、長い音は強く、短い音は弱くという強弱変化を付けるのが自然であり、
同じ長さの音符でも、harmonyの変わり目は意識的に強く奏されるのが普通です。

harmonyとbeat (移調に関しては2章で説明)

上の譜面のMIDIを置いておきます。
意図的ではなく、harmonyの切れ目で自然に強拍を感じてしまうと思います。

A,Dvorak
Slovanske Tance No8,Presto g moll


(2)melody [旋律]

厳密に言うと音の高低のみを指しますが、現実にはrhythmの無いmelodyは存在しません。
楽曲に使われている音の高低の組合せをまとめ、順次に並べたものを音階( scale 英 )といいます。
音階には時代や民族の違い等で様々なものがあり、其々に特徴を持っています。
普通、楽曲に措けるmelody は単音による単旋律が多いのですが、
J.S.bachの音楽のように2つ以上の音楽が重なって出来ている音楽もあります。
このような手法を対位法 kontrapunkt 独 )といいます。


~対位法について~


対位法は、和声法(別の講座等を参照)を縦の手法に対し横の手法をいいます。
対位法の歴史は古く、最初の記録は 9C にまで遡ります。
12C に対位法の土台が完成して14C にこの技法が栄え、15・6C にはイタリアで更に深く究められ、
その後種々の技術変遷を辿りながら長い間西洋音楽を支配してきました。
18C 以降、音楽の主流は対位的なものから和声的なものへと移行しましたが、
今日では十二音音楽( dodecaphony 英 )等の成立に伴い、再び対位法の意義が見直されています。


(3)harmony [和声]

高さの異なる、幾つかの音の積み重ね(和音)の連結をいいます。
9C 頃から始まった polyphony [複音楽] 初期の音楽は、
平行4・5度で進行する organum という形式で、対位的なものでした。
これには調性感はありませんでしたが、既にharmony 的要素は存在していました。
(本質的にはharmony とは言い難いものですが・・・・・)
17C 以降、機能和声の発達に伴い和音の連結による調性音楽が誕生し、
古典派以降では単旋律に和音の伴奏を伴った homophony 様式が主流となってきました。
機能和声とは調整的( tonal 英 )な音楽で用いられるharmony をいい、
調性音楽(tonal music )が出現する以前の音楽や、
現代のように調性( tonality 英 )を否定した音楽( a-tonal music 英 )のharmony とを区別する為、
意識的に使われている言葉です。

20C に至り無調音楽が盛んになるに連れて、harmony に対する感覚が変化しつつあるのが現状です。
この無調音楽を強力に押し進めたのは Schonberg (オーストリア 1874~1951)で、
彼の創始した音楽に 十二音音楽 があります。これは20C に措ける最も重要な作曲法の1つであり、
更に新しい技法を生み出す原動力となりました。


~polyphony とhomophony について。~


polyphony は、複数の声部を持った対位法的な音楽の総称で、polyphony の polyは、「多く」を表す接頭語です。
polyphony 音楽は、9C の平行organum から始まり、15C 中頃から16C 末に掛けての
ルネッサンス中期から後期にかけて、フランドル地方(現在の北フランスからオランダ周辺)を中心に
地域出身の作曲家達が活躍したネーデルランド楽派(フランドル楽派ともいう)によって
様々な技法が生み出され、やがてイタリアの Palestorina によって成熟しました。
その後J.S.Bach は、Palestorina とは異なる様式の対位法によって Fuga の形式を完成しました。
homophony のhomo は「同じ・同音の」を表す接頭語で、和声的な様式の音楽を意味しています。
主声部の旋律に対し伴奏を付けたような形は、homophony の代表的な様式です。

一番解り易いpolyphony 音楽のMIDIを置いておきます。
homophony 音楽と比べてみて、どこが違うかをみつけてみて下さい。

J.S.Bach
Little Fuga in gmoll BWV.578




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