音楽の色々な場面でこのハープは使われていますが、
打ち込みをされている方の大半が、誤った奏法で打ち込まれてしまっているのです。
この結果から、奏法の面で一番勘違いされ易い楽器なのではないかと気付きました。
なので今回は、ハープの構造から見た正しいハープの打ち込み法を書いていこうと思います。
*この項では音名を全てドイツ語で表記しております。
(C3=MC)
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| イタリー | Do (ド) | Re (レ) | Mi (ミ) | Fa (ファ) | Sol (ソ) | La (ラ) | Si (シ) |
| 英語 | C | D | E | F | G | A | B |
| 独語 | C (ツェー) | D (デー) | E (エー) | F (エフ) | G (ゲー) | A (アー) | H (ハー) |
| イタリー #=diesis |
Do # (ド#) | Re # (レ#) | Mi # (ミ#) | Fa # (ファ#) | Sol # (ソ#) | La # (ラ#) | Si # (シ#) |
| 英語 | C# | D# | E# | F# | G# | A# | B# |
| 独語 | Cis (ツィス) | Dis (ディス) | Eis (エイス) | Fis (フィス) | Gis (ギス) | Ais (アイス) | His (ヒス) |
| イタリー b=bemolle |
Do b (ドb) | Re b (レb) | Mi b (ミb) | Fa b (ファb) | Sol b (ソb) | La b (ラb) | Si b (シb) |
| 英語 | Cb | Db | Eb | Fb | Gb | Ab | Bb |
| 独語 | Ces (ツェス) | Des (デス) | Es (エス) | Fes (フェス) | Ges (ゲス) | As (アス) | B (ベー) |
| イタリー x=doppio diesis |
Do x(ドx) | Re x(レx) | Mi x(ミx) | Fa x(ファx) | Sol x(ソx) | La x(ラx) | Si x(シx) |
| 英語 | Cx | Dx | Ex | Fx | Gx | Ax | Bx |
| 独語 | Cisis (ツィスィス) |
Disis (ディスィス) |
Eisis (エイスィス) |
Fisis (フィスィス) |
Gisis (ギスィス) |
Aisis (アイスィス) |
Hisis (ヒスィス) |
| イタリー b=doppio bemolle |
Do bb(ドbb) | Re bb(レbb) | Mi bb(ミbb) | Fa bb(ファbb) | Sol bb(ソbb) | La bb(ラbb) | Si bb(シbb) |
| 英語 | Cbb | Dbb | Ebb | Fbb | Gbb | Abb | Bbb |
| 独語 | Ceses (ツェセス) |
Deses (デセス) |
Eses (エセス) |
Feses (フェセス) |
Geses (ゲセス) |
Ases (アセス) |
Heses (ヘセス) |
オーケストラのみならず、ハープの音はいろんな音楽でよく使われていますよね?
しかし、ハープを使用しているデータを見てみると、
致命的な間違いをしているものが数多く存在します。
例えば、 「プルルルル〜ン」と上下に動く「グリッサンド」という奏法ですが、
大抵の方は鍵盤でC・Cis・D・Dis・E・F・Fis・・・のように、
半音ずつ動かしてしまっています。
もしくは、何も考えずに白鍵盤のみをガ〜ッと弾いてたりとか。
残念ながら前者の方は、ハープには演奏不可能です。
(これは下で詳しく説明します。)
逆に後者の方は、正しい奏法ではあるのですが、
トランスポーズをいじって調整したとしても、
これでは長調の全音階か自然短音階しか演奏できませんので、
副三和音やそれ以上複雑な和声が出てきた場合に、対処することができません。
まずハープの仕組を説明しますと、
一目見れば分かるとおり、あの楽器は沢山弦がついてます。
正確には、47本の弦が付いており、
Ces0〜Gis6と、かなり広い音域を扱うことができます。
(下記で述べますが、これはペダル操作をした場合です。基本調弦ではCes0〜Ges6。)

しかしここでピアノをやっている方などは、
「かなり広い音域が出るのに、それにしては弦の数が少ないような?」
と、感じるのではないでしょうか?
ハープには、ピアノでいう黒鍵盤に当たる弦がついていません。
ダイアトニック、すなわち長調の全音階(弦7本)がオクターブ毎に6つ半並んでいるのです。
半音を含まない全音階で並んでいるのですから、半音階進行が出来るはずがありません。
79本の弦を用いた新しいハープを用意しない限り、無理な話なのです。
*半音階で並んだクロマティック・ハープや、
弦が右手・左手用に2段になったダブルストラングハープ等もありますが、
とても一般的といえるものではないので、使用は避けましょう。
ハープの弦は、開放弦(ペダルが上がった状態)でCes dur(dur=長調)という音階に調弦されています。
ようするにC durに全てフラットがついた調なので、
平均律の考えではC durから半音下げたH dur(ロ長調)と同じということになります。
(ただし、これをH durとは呼ばないように。(^^; )
となると、他の音を出したいときはどうするのでしょう?
H durで考えたとしても、こんな音階が使われることは殆どありません。
そこで登場するのが、ハープの下に7つ(左3つ・右4つ)付いているペダルです。
ペダルというとピアノで使われてるようなものを想像されると思いますが、全然違うものです。
7つのペダルは、【 D・C・H 】(左)【 A・G・F・E 】(右)と
それぞれ名前があり、
ペダルを踏むと、ペダル名に該当する弦の音がオクターブの同音を含め、全て変化します。
(Dのペダルを踏んだら、ハープのDの音の弦が全て変化するということです。)
ペダルには上・中・下の3段階の踏み込みがあり、
1番上が
(フラット)・
真中が
(ナチュラル)・
一番下が
(シャープ)となっています。
最初の状態では、全てのキーのペダルが1番上になっており、
ペダル名の音名にフラットをつけた音が出る仕組みになっています。
Db・Cb・Bb
Ab・Gb・Fb・Eb
(この場合は紛らわしいので、ドイツ音名に#や b を付けています。)
ようするに、上で書いたCes durですね。
全てのペダルを1段階踏み込めば
が
に変わるので
半音上がってC durになり、
もう一段階踏めば
になるので、更に半音上がってCis durになる、
という仕組になっています。

しかしこれでは3つしか調が出来ません。
3つでは大して状況は変わらず、やはり不便なことには変わりありません。
しかしそれはあくまで、「全部踏み込んだとき」のことで、
踏むペダルを選んでやれば、好きなように音階を作れるのです。
D・C・Bb・A・G・F・Eと、
H 以外を一段下げればF dur。
D・C・Bb・A・G・F・Ebと、E も上げればB dur。
といった感じで音階を作っていきます。
しかし、その音階を決めても音階に無い音を使った和音などを使っている場合や、
その和音の音だけを鳴らしたい時などはどうすればいいでしょう?
例えばFm7( F・As・C・Es )の音のみで構成したい場合は、
このようにペダルを踏み込みます。
D#・C・H#・Ab・G#・F・Eb
D# とEb は同じ音。(Esに統合)
Ab とG# は同じ音。(Asに統合)
C とH# は同じ音。( C に統合)
これらを並べると、C・As・F・Esと、上と同じ音の構成になります。
このようにして、その場に応じてペダルを踏んで音を調整している訳です。
もちろん、ペダルは7つあるので3和音等では非和声音が生まれ、
上のようにうまくいかない場合もありますが、
そういう場合はコードスケールで補うなどしましょう。
さて、打ちこみでは実際にどのようにやるかというと、
メロディのように決まった音を使う場合はともかくグリッサンドのような場合、
始まりの音と終わりの音を決めて、MIDIキーボード等で白鍵盤のみをガ〜ッ!と奏でます。
(開始音または終止音に
や
がついてる場合は幹音(
)で考えます。)
入力が完了したら上の法則に従って音を変えていきます。
ちなみに、実際の楽譜では下図のように踏むペダルを事前に指示します。
クラシックの楽譜等では下図のように全部書かず、
その時に踏むべき音のみを書きますが、解らなくなるのでいつも全ての音を書くようにしましょう。
下図ではE3の音からC5までのグリッサンドですが、
キーボードでこれを入力すると、
E・F・G・A・H・C・D・E・F・G・A・H・C
の音が入力されます。
この後、ペダルの指示通りに音を変えてやれば完成です。
E・E(Fb)・G・A・
C(H#)・C・D・E・E(Fb)・G・A・C(H#)・C
